片隅でうたい続ける、わたしたちは。

詩人の秋野りょうと、写真家千川うた(仮)の女性二人のユニットで綴る、詩のブログです。

まぜられてゆく、わたしたちは、そして、

「生理が終わらないからまだ血が出るよ」って

それでもなかなか会えないもんだからね、

 

真夜中にタクシー飛ばして

仕事で疲れたきみのもとへ

 

運転手さんに愚痴りながらね、

あくびしながら窓の外を見たら 星屑が降ってた

 

たぶん、きっと、きみのぜんぶをすきなんだろうけれど

よく、まだ、わからないなあ。

そんなことは、きっとどうでもよくって。

 

きみに あいにゆければ よい

 

翌朝めざめても きみはなかなか起きなくってね、

シーツを見ると 精液と血で染みができていて

なんだかうまく混ざり合っていた 水彩画みたいに。

 

いのちをつくっているんだ わたしたちは

いのちをたのしんでいるんだ わたしたちは

そういうふうに いとおしくおもった

 

だけどね、普段から恋い焦がれているわけではないのだ

いま、これが、くらしの一部だということが 少しうれしいだけでね、

 

(またきっと夜空を見てため息をつくんだろうけれど。その深さに。溺れそうになるからしっかりつかまっている。濁流に濁流に濁流に、うずを巻いて混ぜられてゆくその中に溺れきらないように、息がちゃんと吸えるように、穏やかに暮らせるように。)