片隅でうたい続ける、わたしたちは。

詩人の秋野りょうと、写真家千川うた(仮)の女性二人のユニットで綴る、詩のブログです。

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

冬の前、早朝

きよくただしく たおらかにしなやかにやはらかに 雑草が小さな白い花を咲かせるように 生きろ、 ときいんと響く大声で言われているような、 ひどい朝の暗闇だ

刹那は連なっていく

ひとりの人をひたむきに愛する時間こそが刹那だと思っていたが、刹那こそが時間とともに連なっていくのではないか。これを愛と呼んでよいのかよくわからない、まったく不毛なのかもしれないけれども。 「人生はらせん階段のようにできているんだよ」と、小さ…

希死というもの

不健康な生活を続けていると、あるとき、ぱっと何か、季節だの気温だの気圧だのの変化が現れ、それがトリガーとなって寝込んでしまう。ふわふわ空気中に漂えていたものが、ひどくつよい重力に引っぱられて地底まで潜ってしまうのではないか、と思うぐらいだ…

ドン・ジョバンニのように自由奔放な生と性は

ドン・ジョバンニが彼の食卓へ続く扉を開けたとき、彼が彼自身の死をまったく想像していなかったように、自由奔放な生は常に死を内包している。性もまた、死を内包しているのだろう、そこから新しい命が生まれるのだ。もちろん、誰もが死に一歩ずつ近づいて…