片隅でうたい続ける、わたしたちは。

詩人の秋野りょうと、写真家千川うた(仮)の女性二人のユニットで綴る、詩のブログです。

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

不眠症短歌15

おかしいか?「女性の自立」叫ぶこと、はたから見てて「痛々しい」か? 手を叩け!足踏み鳴らせ!もしきみが、きみの幸せ見つけられたら この年を布団の中で越せぬ人、広がる格差増える哀しみ ぼくたちが声あげてゆき変えないと、これから先も何も変わらぬ …

不眠症短歌15

下ネタも燃料にすりゃ生きてける、そんな気持ちで歩いてきてる 泥酔をして、五七五がひらめいて、公開ボタン押す手が止まる 「前を見ろ」「迷うことなく上にゆけ」私は“否”だ、後ろも向くよ 手をつなぎ改札の端ハグをする、長い人生そんな日もいい 「ぼくは…

不眠症短歌14

目薬もうまくさせない三十のオトナにぼくはなってしまった ゴミばかり棄てられてゆく地球にはゴミばかり書くわたくしが立つ 人を待つ「時」がキラキラ光っててスタバで頼むホットカフェラテ 「関節が痛むね」「だって冬だから」なんて笑って寒さ乗り切れ 世…

不眠症短歌13

(朝に起きて、なかなか目覚められないときに) 粉雪のようにひらりと舞う君の揺れるスカート、恋始まれり 国なんてモノにいつまで縛られる?「地球ぜんたい平和」を祈れ 「クリスマス」今年またもややってくるそれに慄き礼拝へ行く 永遠て言葉を僕の手に書…

ねむれないからたすけてよ

ねむれないんだ きみよ たすけてよ くすりを いちじょう こっそり ふやすよ あしたは どうしても がんばりたいんだ おゆを のむよ あったかい おゆを そちらには とどかないんだろう あったかさが ずっと こごえているままなのだろうか きみは ふゆのみちを …

鱗粉

あなたの魔法の鱗粉で わたしの瞼を輝かせてください。 とろけるような蜂蜜で わたしの唇を濡らしてください。 羽を広げてそちらまで 今すぐわたしがゆけたなら。 けれども寒さで力尽き 途中で地面へ墜ちるでしょう。 そうしてだれかがそれを踏み ばらばらに…

ほんとうは、籠を捨てて、歌いたかった。

深い、黒い森の奥で おんなが てまねきして いった 「これを、お食べ」 ガブリと躊躇なくかぶりついたその球体は血の色をしていて、噛みしめれば噛みしめるほど子宮が痛み、子宮口からは5センチの胎児が出てきた。赤黒い体液を洗い流せば、胎児は青白く輝き…

不眠症短歌12

つけてきたトリートメントのにおいを「悪くないね」ときみはつぶやく 眠剤をちゃんと飲んでもギラギラと頭は冴えて4時半になる ちゃんとする、ちゃんとしなきゃと言いながら何もできない、脱出したい 「運命の人じゃない」って思うけど、今のぼくにはきみし…

不眠症短歌11

ホッピーのジョッキ飲み干し追加して記憶を失くす、雑踏の中 酔ったあと、記憶ないのにまぐわって、朝死にたくてクスリ飲んでた 恋人の好きなビールをこっそりとローソンで買う毎晩の癖 シャッターを閉じた飲み屋を通るたびいたく感じる人のさみしさ 男ども…

まぜられてゆく、わたしたちは、そして、

「生理が終わらないからまだ血が出るよ」って それでもなかなか会えないもんだからね、 真夜中にタクシー飛ばして 仕事で疲れたきみのもとへ 運転手さんに愚痴りながらね、 あくびしながら窓の外を見たら 星屑が降ってた たぶん、きっと、きみのぜんぶをすき…

ある道化師の話

道化師は踊るよ 道化師は踊る 光に照らされた狭い舞台の上で あるいは北風のふく公園の一角でね そうしてみんなを笑わせて 踊り 動き そして笑い声 拍手 少しの小銭 それが彼にとっての一番の生きる喜びで 客の反応を見て 彼は演技を変えてゆく それは まる…