不眠症短歌14
目薬もうまくさせない三十のオトナにぼくはなってしまった
ゴミばかり棄てられてゆく地球にはゴミばかり書くわたくしが立つ
人を待つ「時」がキラキラ光っててスタバで頼むホットカフェラテ
「関節が痛むね」「だって冬だから」なんて笑って寒さ乗り切れ
世の中に「まともな人」は少なくて「おかしな人」が弾圧されて
ロックとは、パンクに生きるということは、自分の芯を貫くことだ
安全な位置からぼくを嗤う人、一度こっちに遊びに来なよ
劇場で越すクリスマス、いつもより少し暗くて温かかった
知らぬ間に傷ついてきた、あのことやこのことにぼく、振り回されて
あの夜のことなど早く忘れたいけれど痛みは忘れたくない
「ファミレスに行こう」「夜でもお茶しよう」きみのLINEでぽかぽかになる
今はまだ稚魚でしかないぼくだけど日々餌を食べ育ってみせる