片隅でうたい続ける、わたしたちは。

詩人の秋野りょうと、写真家千川うた(仮)の女性二人のユニットで綴る、詩のブログです。

世界に、光があればよい

f:id:acchonbrico:20141124030906j:plain

ゆらり ゆらり

揺れる 波の音を

眠れない夜に iPhoneにイヤフォンを付けて 聴くのだ

 

 人生は揺れて!

 ぼくの心は揺れて!

 日本は揺れて!

 原発は揺れて!

 

ゆら ゆら。 と、

くらげのように 水族館のイルミネーションに照らされて

ぷかりぷかりと

水面まで上昇していければいいのに

 

 上昇気流に乗ろうよ

 気球に乗って、どこまで行こうか?

 ピーターパンや猫の男爵と手を繋いで、どこまでも飛んでいこうか?

 そこから見える景色は どんなに美しいのだろう

 

 どんなに、醜いのだろう?

 

 平和だった飛行機は爆撃されて

 戦闘機は飛び続けて

 何も終わらない 終わらないよ

 波の音なんて聞いたことのない人たちが 今どこかで飢えて

 iPhoneなんて持たない人たちは 今どこかで殺されて

 何も知らない少女が強姦される

 

ファンタジーだ

私も ファンタジックなのを 描きたいんだ

 

 ぼくはゆるせない

 赦せない、

 愛を人にわけあたえることを 知らない人たちを。

 そんなことが平気でまかり通る 日本を 東京を

 

東京が好きだ 好きだから

冷たい空気の中で 白い息で マフラーをきつく巻いて

イルミネーションでも 観に出かけようか

 

ぴかり ぴかり。

経済は成長していますよ 大丈夫ですよ

こんなにも「美しい国」ですよ

愛し合えばいいのか 美しいものを見て 誰か適当な男と

クリスマスを理由にして 愛し合えばいいのか?

そんなデートも セックスは 生きるためのパンですらない。

 

ぼくは ほんとうの光に ふれたい

空高く ぐんと手を伸ばして ふれたい

 

それは 聖書の冒頭に書いてある 光なのだ、たぶん。