さよなら小鳥たち
さよなら小鳥たち
私の指先を小さな爪でつかんでいた小鳥たち
私の胎内からメロディーを吸い取って、はるか遠くへ羽ばたいていった小鳥たち
私は森から出られない
私は森から出られない
さよなら小鳥たち
私の体にふわりとした触感と、あたたかな温度の記憶を残して
吸い取られた胎内は、既に私の体ではないように感じる
私は森から出られない
私は森から出られない
さよなら小鳥たち
私の子宮をついばみ、どこか遠くへ運んで、棄ててきてはくれないか。
赤黒くグロテスクなそれを、静かな雨と一緒に街に降らせてくれないか。
私は森から出られない
私は森から出られない
さよなら小鳥たち
いつも、いつも、永遠のさよならと思って送り出すのだ
けれども、あの愛が塊になったようなモノは、
また戻ってきてほしい、私の指先をついばめる距離まで
私は森から出られない
私は森から出られない
誰か私をこの森から出してください