片隅でうたい続ける、わたしたちは。

詩人の秋野りょうと、写真家千川うた(仮)の女性二人のユニットで綴る、詩のブログです。

鱗粉

あなたの魔法の鱗粉で

わたしの瞼を輝かせてください。

とろけるような蜂蜜で

わたしの唇を濡らしてください。

 

羽を広げてそちらまで

今すぐわたしがゆけたなら。

けれども寒さで力尽き

途中で地面へ墜ちるでしょう。

 

そうしてだれかがそれを踏み

ばらばらになり死ぬでしょう。

空気の中に鱗粉と、

あなたの記憶が漂うでしょう。

 

あなたはきっとそれを見て

「愛していた」と嗤うでしょう。