不眠症短歌12
つけてきたトリートメントのにおいを「悪くないね」ときみはつぶやく
眠剤をちゃんと飲んでもギラギラと頭は冴えて4時半になる
ちゃんとする、ちゃんとしなきゃと言いながら何もできない、脱出したい
「運命の人じゃない」って思うけど、今のぼくにはきみしかいない
「メンヘラ」で暮らせないのは嫌だから、少しずつゆけ、コツコツ進め
ヴァセリンを毎晩厚く唇に塗るのは君とキスしたいから
嫉妬する醜い気持ちを赦せずに君のpostを見られずにいる
自立したひとりのひとでありたくて、だから恋とか描きたくなくて
感情をぶつけて書いた文章を褒めてくださる人の優しさ
これからも、えがきつづけていたいから、痛々しくて弱っちくても
ポケットに入れたら増えるビスケットみたいに文も書けたらいいな
「少しずつ善くなっている、何もかも」そう信じれば夢も見られる