片隅でうたい続ける、わたしたちは。

詩人の秋野りょうと、写真家千川うた(仮)の女性二人のユニットで綴る、詩のブログです。

女に光を与えてください。

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「女は花だ」と世間は喩えるが

 

グロテスクな棘を

虐げられた歴史を

強いられる労働を

堂々と行われるセクハラを

打ち明けられない悩みを

美しくあるために払う対価を 時間を 手間を 努力を

結婚と出産への焦りを

「ブス」とレッテルを貼られる哀しさを

毎月訪れる生理痛の苦しみを

避妊できない切なさを

性被害に遭うことの多さを

暴力に苦しめられる家庭を

共依存の抜け出せない葛藤を

家庭と家庭との問題を解決せねばならない責任感を

母親から娘に半永久的に与えられ続けるプレッシャーを

出産において「母親に必要」とあなたたちが言う痛みを

育児の中で感じる孤独を

アルコール依存から逃れられぬストレスを

耐えきれない貧困を

 

すべてを理解して それでも「花であれ」と言うのか

「咲き誇れ」と無責任に励ますのか

 

 私は、咲かない。咲こうともしていない。

 

この数十年にあたって何が進化したというのか

私は憤る 詩的でないと言われようが ずっと憤ろうと思う

 

必死で伸びる植物は

ぐんぐんと まっすぐ伸びたいはずなのに

ねじ曲がって伸びるのだ

光が足らないからに決まっているのに!

 

今、

 

私たちに必要なのは

私たち自身が光ることではない

私たちを照らす光だ