眠ることでわたしたちは死ぬ
眠ることでわたしたちは死ぬ。
毎晩、毎朝、死んで、生き返っている。
冷凍カプセルにひとり入って未来をじっと待つような、暗闇への恐怖。眠りの中では誰も皆孤独だ。
今夜もうまく眠ることができないが
近くに人の寝息があるので安心する
人の寝息というものは
人のあたたかみというものは
孤独な眠りに対して強い武器となる。
いびきや 寝言や タオルケットをどかしてお腹を冷やすのを直してやったり
そんなことは大したことではないのだ。
人と共に眠りにつくことは
孤独や恐怖を、退けてくれる。
そうしてまた明日も、新しい一日が来るのだ、必ず。
私は、生きていてもよいのだ。
よいのだから、眠って、一度死にましょう。そうしてまた明日、生きましょう。