片隅でうたい続ける、わたしたちは。

詩人の秋野りょうと、写真家千川うた(仮)の女性二人のユニットで綴る、詩のブログです。

輪、わたしたちの。

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ともだちをともだちにあわせるとき
わたしはとてもうれしくかんじる。


人間は誰でもひとり、なんて陳腐な歌詞みたいなセリフを一度たりとも吐きたくはないのだがそれでも、

光の速さのインターネットが張り巡らされてわたしたちは、誰に会えばいいのか誰と話せばいいのか、誰がわたしの話をきいてくれるのかさえも、すぐに見失う。ヘンゼルとグレーテルが森に迷ったような安易さで。

目の前を見れば意外と人はいて、話ができて。人間はそうやって、これまで社会が形成されてきたのだ。古代アテネの神殿から今に至るまで。

通勤電車の中、スマホでLINEやTwitterをして、それで、安易に暇つぶしをして。暇つぶし、程度の人間をリストアップして。暇だよー、寂しいよー、なんて送ってみたりして。何人が、もしあなたが死にかけているときそばに来てくれるんだろうね、おねえさん。

笑っていいともは終わってしまったけれど、タモリの友達の輪はずっと、ぐるぐると、ぐるぐると回り続けている。久しぶりにとれるであろう彼のバカンスで、芸能界で、貧しいコメディアンたちのきゅうくつな楽屋で、お茶の間で、わたしたちの心の中で。

誰かと少しずつ話して、少しずつ、わかり合って生きていければいい。それがきっと、人間の、人間らしい生き方なのかもしれない。


ともだちをともだちにあわせるとき
わたしはとてもうれしくかんじる、
これからもきっと。