片隅でうたい続ける、わたしたちは。

詩人の秋野りょうと、写真家千川うた(仮)の女性二人のユニットで綴る、詩のブログです。

2014-04-15から1日間の記事一覧

メメント・モリ、または桜。または、舞台。

桜は、天国への一番近い扉です。昔の人が言っていました、桜の木の下には人間の死体がたくさん埋まっていて、その養分で桜は咲くのだと。人間の、もう人間ではない物体の、腐ってどろどろに融けて、地下深くにはりめぐらされた桜の根っこたちに吸収される、…

輪、わたしたちの。

ともだちをともだちにあわせるときわたしはとてもうれしくかんじる。人間は誰でもひとり、なんて陳腐な歌詞みたいなセリフを一度たりとも吐きたくはないのだがそれでも、光の速さのインターネットが張り巡らされてわたしたちは、誰に会えばいいのか誰と話せ…

二輪の祈り

公民館のグランドピアノの傍でちょこんと座った私の髪はギュッときつく結われ、花びらのようなフリルのドレスを着させられて、その日一日はまるでお姫様でした。花束のにおい。おかあさんの拍手。おとうさんのビデオカメラ。(私があの舞台に置いてきてしま…