片隅でうたい続ける、わたしたちは。

詩人の秋野りょうと、写真家千川うた(仮)の女性二人のユニットで綴る、詩のブログです。

不眠症短歌15

おかしいか?「女性の自立」叫ぶこと、はたから見てて「痛々しい」か? 手を叩け!足踏み鳴らせ!もしきみが、きみの幸せ見つけられたら この年を布団の中で越せぬ人、広がる格差増える哀しみ ぼくたちが声あげてゆき変えないと、これから先も何も変わらぬ …

不眠症短歌15

下ネタも燃料にすりゃ生きてける、そんな気持ちで歩いてきてる 泥酔をして、五七五がひらめいて、公開ボタン押す手が止まる 「前を見ろ」「迷うことなく上にゆけ」私は“否”だ、後ろも向くよ 手をつなぎ改札の端ハグをする、長い人生そんな日もいい 「ぼくは…

不眠症短歌14

目薬もうまくさせない三十のオトナにぼくはなってしまった ゴミばかり棄てられてゆく地球にはゴミばかり書くわたくしが立つ 人を待つ「時」がキラキラ光っててスタバで頼むホットカフェラテ 「関節が痛むね」「だって冬だから」なんて笑って寒さ乗り切れ 世…

不眠症短歌13

(朝に起きて、なかなか目覚められないときに) 粉雪のようにひらりと舞う君の揺れるスカート、恋始まれり 国なんてモノにいつまで縛られる?「地球ぜんたい平和」を祈れ 「クリスマス」今年またもややってくるそれに慄き礼拝へ行く 永遠て言葉を僕の手に書…

ねむれないからたすけてよ

ねむれないんだ きみよ たすけてよ くすりを いちじょう こっそり ふやすよ あしたは どうしても がんばりたいんだ おゆを のむよ あったかい おゆを そちらには とどかないんだろう あったかさが ずっと こごえているままなのだろうか きみは ふゆのみちを …

鱗粉

あなたの魔法の鱗粉で わたしの瞼を輝かせてください。 とろけるような蜂蜜で わたしの唇を濡らしてください。 羽を広げてそちらまで 今すぐわたしがゆけたなら。 けれども寒さで力尽き 途中で地面へ墜ちるでしょう。 そうしてだれかがそれを踏み ばらばらに…

ほんとうは、籠を捨てて、歌いたかった。

深い、黒い森の奥で おんなが てまねきして いった 「これを、お食べ」 ガブリと躊躇なくかぶりついたその球体は血の色をしていて、噛みしめれば噛みしめるほど子宮が痛み、子宮口からは5センチの胎児が出てきた。赤黒い体液を洗い流せば、胎児は青白く輝き…

不眠症短歌12

つけてきたトリートメントのにおいを「悪くないね」ときみはつぶやく 眠剤をちゃんと飲んでもギラギラと頭は冴えて4時半になる ちゃんとする、ちゃんとしなきゃと言いながら何もできない、脱出したい 「運命の人じゃない」って思うけど、今のぼくにはきみし…

不眠症短歌11

ホッピーのジョッキ飲み干し追加して記憶を失くす、雑踏の中 酔ったあと、記憶ないのにまぐわって、朝死にたくてクスリ飲んでた 恋人の好きなビールをこっそりとローソンで買う毎晩の癖 シャッターを閉じた飲み屋を通るたびいたく感じる人のさみしさ 男ども…

まぜられてゆく、わたしたちは、そして、

「生理が終わらないからまだ血が出るよ」って それでもなかなか会えないもんだからね、 真夜中にタクシー飛ばして 仕事で疲れたきみのもとへ 運転手さんに愚痴りながらね、 あくびしながら窓の外を見たら 星屑が降ってた たぶん、きっと、きみのぜんぶをすき…

ある道化師の話

道化師は踊るよ 道化師は踊る 光に照らされた狭い舞台の上で あるいは北風のふく公園の一角でね そうしてみんなを笑わせて 踊り 動き そして笑い声 拍手 少しの小銭 それが彼にとっての一番の生きる喜びで 客の反応を見て 彼は演技を変えてゆく それは まる…

やはりわたしは、

「やはりわたしは、 あなたが好きだ。」 必要な言葉はただ、それだけなのだった。 失恋したっていいさ、 なんだって人生の糧にはなるだろう。 人生はぐるぐると変わってゆくからね。 それでも今生きている歓びがあって それを与えてくれていることも とても …

ねむりにつくまえにね、

いつもいつもふとんにもぐりこんでもねむれなくてね、しごとのことをかんがえたりいろいろインターネットをみたりしてめも あたまも ぎらぎらしてからだは ふらふらなのにね、そうして ねむれないうちにねゲームをしたりしてそのうちにまたうかんでメモして…

生きること、拍動

心臓は24時間、意識せずともビートを刻んでいて、 ICUでは今夜もいくつものグラフが動きブザーがいつも鳴っている。 死にそうな老人はナースコールのボタンも押せずに、 白衣を着た看護師たちが夜中じゅう飛び回っている。 鼓動 重低音 履き潰すドクターマー…

睡眠障害

ねむさ(まるで病的な)、まどろみ。 瞼は重く 体はだらりとしていて 夢の中で、古びた校舎の中を歩いていた さまざまな手作りの座布団が披露されて 中の具が小豆であるとか何であるとか (具は月によって変わるそうであった) 睡眠をうまくやらなければ う…

女に光を与えてください。

「女は花だ」と世間は喩えるが グロテスクな棘を 虐げられた歴史を 強いられる労働を 堂々と行われるセクハラを 打ち明けられない悩みを 美しくあるために払う対価を 時間を 手間を 努力を 結婚と出産への焦りを 「ブス」とレッテルを貼られる哀しさを 毎月…

世界に、光があればよい

ゆらり ゆらり。 揺れる 波の音を 眠れない夜に iPhoneにイヤフォンを付けて 聴くのだ 人生は揺れて! ぼくの心は揺れて! 日本は揺れて! 原発は揺れて! ゆら ゆら。 と、 くらげのように 水族館のイルミネーションに照らされて ぷかりぷかりと 水面まで上…

私の生活、愛すべきこと

道化なのだ、すなわち。 私の人生とは 生活とは 表現とは 空虚で 全世界に公開する自慰で くだらない。くだらない。くだらない。 自慰を見る人がいるならばね。 意地でもぼくがそれを魅せ続けることができる、ならばね。 ストリップ劇場の女優は優美に踊って…

わかち合うとは何か

スヌーピーのアプリを開いたら、誰かよくわからないけれど気楽で哲学的そうな女の子のキャラクターが「喜びは誰かとシェアしてこそ大きくなるのよ」と言っていた。そういえば小沢健二も「喜びを他の誰かとわかち合う!」と明るく楽しく歌っていた、そんな90…

何もできないのだった

人と会うことがおっくうで できれば誰とも会わずに過ごしたいのだが そもそも私は本質的に人間自体が好きなのだろうか と不安になった。 不安にならなくてもよい、 本質的にやはり好きではないのだと思う 特に、醜い感情に触れながら生きるのは、疲弊する く…

いなくなることは何も恐怖ではない

いなくなることは何も恐怖ではないなぜなら私は本質的に、完全に孤独だからしかしながら孤独はそう悪くないと思う少なくとも、人に馬鹿にされるようなことではないいなくなることはそう恐怖ではないけれどもそうならないように自らをこの世界にがんじょうな…

猿とぼくと餌

遊園地で、ぼくではとうていできないような芸当をしていたおさるさんがいたので、すごいなあとカメラを向けた。周りの人たちもおさるさんのかわいらしさに圧倒されて集まってきた。一袋百円の餌を与えると、もっと長く芸当をしてくれるというので、ぼくは何…

ほんとうははやく

ほんとうははやく、らくになりたいと そちらがわにいって、きみとはなしでもしたいんだと しかし、いまのぼくにはやるべきことができた そのさきには、おおくの、かだいがまっている そうはいっても、あめがふったり、すこしさむくなったり、 きあつがさがっ…

冬の前、早朝

きよくただしく たおらかにしなやかにやはらかに 雑草が小さな白い花を咲かせるように 生きろ、 ときいんと響く大声で言われているような、 ひどい朝の暗闇だ

刹那は連なっていく

ひとりの人をひたむきに愛する時間こそが刹那だと思っていたが、刹那こそが時間とともに連なっていくのではないか。これを愛と呼んでよいのかよくわからない、まったく不毛なのかもしれないけれども。 「人生はらせん階段のようにできているんだよ」と、小さ…

希死というもの

不健康な生活を続けていると、あるとき、ぱっと何か、季節だの気温だの気圧だのの変化が現れ、それがトリガーとなって寝込んでしまう。ふわふわ空気中に漂えていたものが、ひどくつよい重力に引っぱられて地底まで潜ってしまうのではないか、と思うぐらいだ…

ドン・ジョバンニのように自由奔放な生と性は

ドン・ジョバンニが彼の食卓へ続く扉を開けたとき、彼が彼自身の死をまったく想像していなかったように、自由奔放な生は常に死を内包している。性もまた、死を内包しているのだろう、そこから新しい命が生まれるのだ。もちろん、誰もが死に一歩ずつ近づいて…

さよなら小鳥たち

さよなら小鳥たち 私の指先を小さな爪でつかんでいた小鳥たち 私の胎内からメロディーを吸い取って、はるか遠くへ羽ばたいていった小鳥たち 私は森から出られない 私は森から出られない さよなら小鳥たち 私の体にふわりとした触感と、あたたかな温度の記憶…

考えないようにして生きている

考えないようにして生きている忘れたふりをして生きている悲鳴やどくどくと流れる血やサイレン私が冷静でいるしかなかった私ががんばるしかなかったできるだけ歪んだ家庭のことをまるで忘れたかのように解決したかのようにふるまうが、たまにぽろりと記憶が…

ひたむきの神様

ひたむきさを司る神様がもしいるのならば、どうか私がひたむきに、真摯に生きてゆけますように。あらゆる誘惑や迷いから守ってください。ひたむきに人々を、様々な物事を、仕事を、愛してゆけますように。

地を這うように、血を吐くように生きながら人を愛する

生きることと愛することを謳った映画を再び観てきたのだが、初めて観たときからあまりにも多くの時間が過ぎ去っていた。もっと最近のような気がしていた。あまりにも多くの混乱する出来事が、私の周りで、また、私の中で起こっていた。物語に容易にリンクす…

贖罪しながら、生きる

私にとって生きることとは既に、誰かに罪を償うための、いわば苦行であって、性という観念も誰かを無理矢理納得させるための手段でしかなかった。荒れ地にたったひとりになった敗残兵のように、私は裸で戦っていた。あまり、助けは呼べなかった。実際のとこ…

不眠症短歌10

@acchonbrico: たくさんの人が沈んだあの海も再び暴力受けて無言で #jtanka #平和@acchonbrico: じりじりと焼ける地面をサンダルでグッと踏みしめ平和をねがう #jtanka #平和@acchonbrico: 広島も長崎もあり福島も沖縄もあるこの地に立って #jtanka@acchonbr…

にくしみ、あらそいは、どうして

ぼくらからはどうして にくしみが消えないのかな。 ゆうがた、やわらかな風がさらさらながれるこの街で ぼくらはどうして 人をくるしめてしまうのかな。 ゆうべ点けたテレビでは 人が人を指さしてさも愉快そうに笑い転げていて 窓の外からは野良猫の飢えた声…

不眠症短歌9

「ゆるふわ」や「知的女子」ってくくられる、「女はこう」と。その閉塞感。恋愛はしていなかったセックスをすればよいのはただ楽だったスタンプを深夜に君と送り合う親指踊るリズム愉しい掴みたいエロの先にも見えること女の権利、産まない権利僕たちが互い…

渇いた。

飛行機が撃ち落とされようと子供の手足がもぎ取られようと地球は容赦ないスピードでぐるぐると回ってまた、朝が来るのだ。まぶたを開いたときのエアコンから髪を撫でる風布団は足をのんびり包んでいる。渇いた。喉が渇いた。ゆうべ飲んだワインは変色した血…

不眠症短歌8

三十を過ぎて齢を重ねた日、死にたいと思う。母よ赦して。死ななくて死ねなくてまた死ななくて。ようやく生きて踏み出せている。女などにならねばよかった私など。子宮が憎い子宮をとりたいこの酷くデモクラシーの通じない東京に暮らす。光見えない。「メン…

眠る前にはいつも、死の一文字がよぎるけれども。

生きていく山道の途中の険しさや煩わしさを、その道端に投げ出してしまいたい。あとはもう、振り返りたくないのだ。ヘンゼルとグレーテルのパン屑みたいに、ほんとうは。暗い森を一刻も早く抜け出したいのだけれども出口は見つからずに、今夜も眠る前には死…

きみはどうしていますか

きみはどうしていますか。じしんのまえにむこうへわたっていったきみは。いま、どうしていますか。メールもでんわもつながらないからぼくはきみにあてて書きつづけるしかない。ぼくは思うのです、きみがこのせかいを見なくてよかったのではないかと思ってし…

眠ることでわたしたちは死ぬ

眠ることでわたしたちは死ぬ。毎晩、毎朝、死んで、生き返っている。冷凍カプセルにひとり入って未来をじっと待つような、暗闇への恐怖。眠りの中では誰も皆孤独だ。今夜もうまく眠ることができないが近くに人の寝息があるので安心する人の寝息というものは…

不眠症短歌7

@acchonbrico: 名前のない恋人のこと、イエスのようにSieではなくてDuと呼びたい #jtanka

不眠症短歌6

@acchonbrico: 星に住む僕らの暮らしを決めるのに応答はなく沼底の虚無 #jtanka@acchonbrico: 貧しさはすべてを奪う生きがいも存在価値も尊厳すらも #jtanka投票率30%を切った中野区長選挙を経て、ふたつ。---@acchonbrico: あの人に会いたいと祈る午前4時あ…

不眠症短歌5

@acchonbrico: どんよりと暗い東京湾は、冷たい風に絶えず蠢き続けていた。対岸のすべての東京の光が反射していた。日常の暮らしは、労働は、あまねくひかりとなって夜空を描いている。聖霊はいるのかもしれない。ひかりを見せてくれた愛する人よ。 #詩@acch…

不眠症短歌4

@acchonbrico: ガラスからベッドに流れる雨音で膨らんだ指。ショパンが弾けない #jtanka@acchonbrico: トタン屋根に雨音がみすぼらしく響いて私の目はらんらんとしている。なぜ疲れたのに眠れないのか。かがり火をください、照らしてください!ほんとうに未…

不眠症短歌3

@acchonbrico: つまらない恋だの愛の歌や詩は、私は詠めない見たくもなくて #jtanka @acchonbrico: 淡い夜に心の中の山と谷を3Dで眺めて落下してゆく #jtanka @acchonbrico: 音楽を「音を楽しめ」と言う人よ、音に苦しむ私を殺せ #jtanka

不眠症短歌2

@acchonbrico: テレビからほとばしり出る光線は、僕ら支える生命体となって #jtanka@acchonbrico: 名前もない黒子が蠢く舞台袖から一歩踏み出して女は血を流す #jtanka@acchonbrico: パンがあれば人に分けたいようにまた、愉しい芝居をシェアしたいんです。 …

不眠症の夜に短歌を書きはじめた。

@acchonbrico: マンデリンに砂糖入れずに飲む僕を無邪気に褒める君との日曜 #tanka@acchonbrico: キリストよ、貧しき者こそ救われる日はいつ来るんですかこのニッポンで #tanka@acchonbrico: 眠剤の苦みが嫌で朝いつもファミマで買ってたオレンジジュース #t…

メメント・モリ、または桜。または、舞台。

桜は、天国への一番近い扉です。昔の人が言っていました、桜の木の下には人間の死体がたくさん埋まっていて、その養分で桜は咲くのだと。人間の、もう人間ではない物体の、腐ってどろどろに融けて、地下深くにはりめぐらされた桜の根っこたちに吸収される、…

輪、わたしたちの。

ともだちをともだちにあわせるときわたしはとてもうれしくかんじる。人間は誰でもひとり、なんて陳腐な歌詞みたいなセリフを一度たりとも吐きたくはないのだがそれでも、光の速さのインターネットが張り巡らされてわたしたちは、誰に会えばいいのか誰と話せ…

二輪の祈り

公民館のグランドピアノの傍でちょこんと座った私の髪はギュッときつく結われ、花びらのようなフリルのドレスを着させられて、その日一日はまるでお姫様でした。花束のにおい。おかあさんの拍手。おとうさんのビデオカメラ。(私があの舞台に置いてきてしま…